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平成29年度女子U16日本代表チーム 第1次強化合宿 開催報告

2017年5月18日

池松 美波選手(北九州市立二島中学校 3年)はポイントガードとして日本代表が目指すスタイルを体現

カナダ遠征で初めて海外の大きな選手と対峙したことでインサイドプレイを工夫している野口 さくら選手(安城学園高校 1年)

 平成29年度バスケットボール女子U16日本代表チームは、5月15日(月)~17日(水)の期間、味の素ナショナルトレーニングセンターにて、今年度初となる第1次強化合宿を実施しました。
 昨年の9月から既に4度の強化合宿を積み重ね、3月末にはカナダ遠征を行い、強化を図っています。

 まず、萩原 美樹子ヘッドコーチにカナダ遠征の成果を伺いました。
 「ディフェンスでプレッシャーをかけ、ターンオーバーを誘発して自分たちのオフェンスにするという点に関しては、非常に良い成果が見られました。しかし、本大会での中国やオーストラリアがそう簡単にプレッシャーに引っかかってボールを失うとは考えられません。今回対戦したカナダのチームには通用しましたが、さらに精度を上げていかなければならないです」

 今合宿期間中、東京成徳大学高校に胸を借り、10分ゲームのスクリメージを行なったことで、カナダ遠征で不安視された部分が露呈します。「トランジションバスケットを目指していますが、ピックアップが遅かったり、自分のマークマン以外が走っていてもノーマークにしてしまったりしていました。東京成徳大学高もトランジションバスケットがすごく速いチームだからこそ、今の女子U16日本代表との差が明確になりました」と、萩原ヘッドコーチは反省点を挙げています。翌日はスクリメージの映像を振り返りながらのミーティングに長い時間を費やしていました。

 ポイントガードの池松 美波選手(北九州市立二島中学校 3年)は、「ガードが切れ込んで行って、走ってブレイクに持っていける」プレイを目指しており、それがこのチームのスタイルでもあります。カナダ遠征を経て、「ドライブに行って抜いたときに、相手ディフェンスのヘルプが来るかどうかを見てからパスをするようになりました」と状況判断が向上していました。

 海外遠征を行うことで、「選手同士が密に交流でき、チーム力の向上や約束事を守ることが飛躍的に良くなります」と、萩原ヘッドコーチはそのメリットを挙げています。コンビネーションプレイも見られるようになり、池松選手はセンターの野口 さくら選手(安城学園高校 1年)と良い合わせのプレイが見られました。181cmと現在最高身長を誇るビッグマンですが、カナダ遠征では「大きな相手に対しての守り方や力強さ、日本では経験しないようなプレイでやられたりしました。リバウンドでは、ボックスアウトをしていても後ろから押し込まれたり、上から取られることもありました。やることはちゃんとできていても、パワーや高さで負けることが多かったです」と、初めて海外の選手を相手に戸惑いもありました。しかし帰国後は、「大きい相手に対しての対処法をしっかりと考えて、自分なりに相手にボールを取られないような工夫をするようにしています」と大きな相手からリバウンドを取れるよう、自ら考えて取り組んでいます。

 今年、10月22日(日)よりインド・チェンナイで開幕する「FIBA U16 女子 Asian選手権大会2017」までは時間があります。しかし合宿できる日程は限られており、萩原ヘッドコーチは「やるべきことを絞って、短い時間でも効果的に強化しなければなりません。次回合宿は今回の復習ではなく、しっかりと積み上げられるように、選手たちには各チームに戻ってから復習し、準備してくるように伝えました」と話しており、選手たちもその課題に応えてくれています。

 次回、第2次強化合宿は6月27日(火)~29日(木)に開催を予定しています。その後、高校生はインターハイ(平成29年度全国高等学校総合体育大会/福島県)や国体予選、中学生は第47回全国中学校バスケットボール大会(沖縄県)など、成長できる機会が待っています。
 しかし、高校に進学したばかりの1年生にとっては、なかなか試合に出る機会を得るのは難しい実情もあります。萩原ヘッドコーチは、「選手である以上は、試合に出られるように頑張ってほしいですし、先輩たちからポジションを勝ち取るために努力するのは当たり前のことです。合宿で学んだことをぜひ継続し、役立ててください」と発破をかけ、選手たちの成長を促しています。

※活動の様子はフォトギャラリーにてご覧ください。